Shunsuke Kimura, Ryo Onodera, Kazuki Nakamura, Norihisa Kobayashi
MRS Communications, Volume 8, Issue 2, pp 498-503, 2018.
https://doi.org/10.1557/mrc.2018.55
我々はこれまでに、電圧の制御によって、透明状態から鏡状態、黒状態に加え、金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に基づいたカラーを単一素子中で可逆に発現可能な銀析出型マルチカラーエレクトロクロミック(EC)素子を報告してきました。この素子は電解液に含まれる対極反応材料としての塩化銅(Ⅱ)が原因で析出銀が酸化溶解してしまい、開回路状態において素子の発色状態を保持することができない課題がありました。本論文では、陰イオン交換膜を導入する工夫により作用極近傍へのCu2+イオンの接近を防止し、開回路状態においても発色状態を保持可能な素子を報告しました。