Haruki Minami, Takuya Ichikawa, Kazuki Nakamura, Norihisa Kobayashi
Chemical Communications, 55, 12611-12614, 2019.
https://doi.org/10.1039/C9CC05845A
※同誌(IF = 6.164)のバックカバーとして採用
電気化学発光(ECL)は様々な新奇発光デバイスへの応用が期待されていますが,青色をはじめとした高エネルギーのECL発現には高い電圧の印加が必要であり,不本意な副反応に起因してECL特性が低いという問題点がありました。そこで,橙色発光を示すECL材料であるRu(bpy)32+と青色発光を示すアントラセン誘導体(DPA)を電解液中で混合し電圧を印加することで,電気化学的に生成したRu(bpy)32+の三重項励起状態からDPAの三重項へのエネルギー移動(TTET)とそれに引き続くDPAの三重項励起状態同士のアップコンバーション反応(TTA-UC)を利用し,通常では成しえない低電圧での青色ECLを発現可能としました。