Shunsuke Kimura, Ryo Onodera, Kazuki Nakamura, Norihisa Kobayashi
Solar Energy Materials and Solar Cells, Volume 205, pp 110247-110252, 2020.
https://doi.org/10.1016/j.solmat.2019.110247
我々はこれまでに、電圧の制御によって、透明状態から鏡状態、黒状態に加え、金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に基づいたカラーを単一素子中で可逆に発現可能な銀析出型マルチカラーエレクトロクロミック(EC)素子を報告してきました。この素子は電解液に含まれる対極反応材料としての塩化銅(Ⅱ)が原因で析出銀が酸化溶解してしまい、開回路状態において素子の発色状態を保持することができない課題がありました。本論文では、電極上に固定されたプルシアンブルーが銀析出型EC素子の対極反応材料として利用可能で、塩化銅(Ⅱ)を置き換えることができることを電気化学的な観点から議論しています。また、プルシアンブルーを対極に用いて新たに作成した素子が、無電力供給状態においても、その発色状態を保持可能であることを明らかにしました。